フローサイトメトリーによる免疫シグナル伝達と表現型解析のプロトコール適応表
こちらのプロトコール適応表から、同一のプロトコールが機能する表面抗原や細胞内抗原に対する抗体を特定できます。ページ下部の、コンテンツやプロトコール適応表の使い方の説明文をご覧ください。
抗体クローン情報とプロトコール適応試験
プロトコールの概要
| プロトコールNo. | プロトコール情報 | プロトコールの概説 | 利用可能な固定‐透過化キット |
|---|---|---|---|
| 1 | 生細胞表面染色プロトコール | 染色前に細胞の固定や透過化を行わないプロトコール | 適用なし |
| 2 | 固定した細胞の細胞内染色–メタノールによる透過化プロトコール | 染色前にホルムアルデヒドとメタノールで細胞の固定と透過化を行う | Intracellular Flow Cytometry Kit (Methanol) #13593 |
| 3 | 固定した細胞の細胞内染色–Triton™ X-100透過化プロトコール | 染色前にホルムアルデヒドとTriton™ X-100で細胞の固定と透過化を行う | Intracellular Flow Cytometry Kit (Triton™ X-100) #51995 |
| 4 | 固定した細胞の細胞内染色–FoxP3/転写因子プロトコール | 転写因子や核タンパク質に対する抗体に最適化された、固定と透過化バッファーセットを用いる | FoxP3/Transcription Factor Fixation/Permeabilization Kit #43481 |
フローサイトメトリー:多色パネルを確立するための抗体とプロトコール選択ガイド
フローサイトメトリー実験で生細胞や固定した細胞を染色する場合には、様々なプロトコールから適切なものを選択する必要があります。エプトープの認識に悪影響を与えることなく、標的タンパク質が存在する細胞成分に抗体がアクセスできるように、細胞の染色に用いる抗体に適応するプロトコールを必ず選択してください。
例えば、リン酸化フローサイトメトリーで細胞内の標的を染色する場合は、染色前に細胞の固定と透過化を行う必要があります。しかし、固定や透過化のプロトコールは、エピトープと抗体の相互作用を変化させる可能性があります。特に透過化試薬の選択は、アッセイに用いる抗体の感度や特異性、機能に大きな影響を与えます。これには抗原と抗体クローンの両方が影響します。
透過化には、メタノールなどの有機溶媒や、Triton™ X-100やサポニンなどの界面活性剤を用いるのが一般的です。この中では、サポニンが最も透過化力が低く、コレステロールに結合して細胞膜に孔を形成しますが、核膜やミトコンドリア膜などの細胞内膜は透過化しません。Triton™ X-100とメタノールは、ほとんどの細胞内膜を十分に透過化することができ、透過化力はメタノールが最も強力です。しかし、メタノールはエピトープを破壊することがあり、メタノールによる透過化の後では機能しなくなる抗体もあります (表面マーカーに対する抗体の一部など)。
プロトコール適応表から、同一のプロトコールが機能する表面抗原や細胞内抗原に対する抗体を特定できます。
Cell Signaling Technology® (CST) は、様々な蛍光色素で標識したフローサイトメトリー検証済み抗体の多様なカタログ製品を提供しています。このフローサイトメトリーによる免疫シグナル伝達と表現型解析のプロトコール適応表は、CSTカタログに掲載されている抗体が、どの染色プロトコールに適応するかを簡単に確認できるようにしたものです。特に、フローサイトメトリーによるシグナル伝達解析における多重染色パネルで同時に使用する抗体を複数選択する場合に便利です。この表では、特に以下を確認できます。
- 生細胞プロトコールのみに適応する、表面マーカー (CDマーカー) 抗体
- 通常はフローサイトメトリーで細胞内抗原を染色する場合に用いる、固定-透過化プロトコールで機能するCDマーカー
- 固定と透過化に適応する抗体で使用する、固定および透過化プロトコール
- 固定および透過化プロトコールのみで機能する抗体、また、これらの抗体で使用するプロトコール
プロトコール適応表の使い方
抗体クローン情報には、CST抗体のクローン、エピトープの位置、実験で使用し得る生物種交差性の情報が記載されています。
プロトコール適応試験には、それぞれの抗体クローンで試験した一般的なプロトコールが記載されており、パネルの構築にかかる時間の短縮に役立てることができます。多重染色 (マルチプレックス) 実験で使用する抗体を選択する場合は、それぞれのクローンが同一のプロトコールに適応することを確認してください。緑色のマークは、そのプロトコールが推奨されていることを示します。黄色のマークは、そのプロトコールの試験を行ったところ機能が低下している可能性が示され、さらにプロトコールを最適化することが推奨されることを示します。赤色のマークは、そのプロトコールが推奨されていないことを示し、白色のマークは、そのプロトコールが未試験であることを示します。
入手可能な標識には、それぞれのクローンについてCSTから入手可能な直接標識抗体製品が記載されており、各蛍光色素のおおよその最大蛍光波長を基に、左から右に整理されています。製品番号のリンクをクリックすると、興味のある標識抗体の専用製品ページが表示されます。