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神経細胞とグリア細胞のマーカー

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Cell Type Markers Neurodegenerative Disease-Associated Markers *Proliferating Cells Neuronal and Glial Cell Marker Atlas 06/18 Neuroepithelial Cells* Neural Stem Cell Markers - Musashi - SSEA1 - Notch1 - E-Cadherin Proliferating Cell Markers: Schwann Cells Glutamatergic Neurons Alzheimer’s Disease Parkinson’s Disease ALS GABAergic Neurons Dopaminergic Neurons Serotonergic Neurons Cholinergic Neurons Interneurons Motor Neurons Astrocytes Mature Neurons Intermediate Progenitors* - EAAT1 (GLAST-1) - A2B5 - A2B5 - EOMES (Tbr2) - Neurogenin 2 - Pax6 Immature Neurons Neurotransmitters Neuronal Subtypes - Doublecortin - p75NTR Radial Glia* Microglia - BLP (FABP7) - ASC Homeostatic: Stage 1 Functional Markers: Stage 2 (TREM2-Dependant) - Nestin - Myelin Basic Protein - VGLUT1/2 - ChAT - Calbindin - ChAT - ADORA2A - β-Amyloid (Aβ) - DJ-1 - C9orf72 - Neuropeptide Y - ALDH1A1 - FEV - Lmx1B - MAP2 - Parvalbumin - Neurogenin 2 - Notch1 - Neuron Specific Enolase (NSE) Downregulated - Dectin-1 (CLEC7a) - F4/80 Disease-Associated Microglia (DAM) - HES1 - Nestin - Sox2 - Sox10 - GFAP - GAP43 - EAAT2 (GLT-1) - S100B - NCAM - Myelin Basic Protein - Vimentin - Tenascin C - Sox2 - EAAT1 (GLAST-1) - GFAP - N-Cadherin - CD68 - CD45 - CD40 - CD11b (ITGAM) - TMEM119 - PU.1 - Iba1 - P2RY12 - Cystatin 3 (CST3) - CX3CR1 - C1qA/B - PCNA - Ki-67 - BrdU - PKA - c-Fos - Erk - EGR1 - CREB - CaMKII - Arg3.1 (Arc) - UCHL1 - β3-Tubulin - Thy1 - Tau - Neurofilament-M - Neurofilament-L - Neurofilament-H - NeuN - β3-Tubulin - TBR1 - NeuroD1 - S100B - Notch - GFAP - EAAT2 (GLT-1) - EAAT1 (GLAST-1) - ALDH1L1 - SOX10 - Olig2 - NG2 - MOG - MAG - CNPase - GAD1/2 - DARPP-32 - Penk - Tyrosine Hydroxylase - GIRK2 - FoxA2 - SERT - TPH2 - Tryptophan Hydroxylase - 5-HT3A Receptor - Calretinin - VIP - Somatostatin - Islet-1/2 - HB9 - Olig2 - Axl - Cystatin F (CST7) - Spp1 - CD11c (ITGAX) - CD33 - TMEM119 - CX3CR1 - P2RY12 - TREM2 - DAP12 (TYROBP) - ApoE Upregulated - TDP43 - SQSTM1 - SOD1 - FUS - VPS35 - UCHL1 - α-Synuclein - PINK1 - Parkin - LRRK2 - GBA - TREM2 - Tau - Presenilin 1/2 (PSEN1/2) - CD33 - ApoE Oligodendrocytes

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中枢神経系 (CNS) の細胞と末梢神経系 (PNS) の細胞は、かつて病態解析において形態的な特徴に基づいて分類されていましたが、近年ではそれぞれの細胞に特異的なタンパク質を検出することで特定されています。これらマーカータンパク質の発現は遺伝子レベル、エピジェネティックレベルで複雑に制御されており、空間的、時間的な変化を正しく評価することは容易ではありません。胚発生におけるCNSやPNSの解析、成体における神経細胞新生の解析、神経変性疾患の病態解析に有効なバイオマーカーが多数見付かっており、これらの発現を正しく評価することが重要と言えます。

哺乳類の神経系におけるすべての神経細胞は、自己複製能と多能性の特徴を持つ神経幹細胞から分化します。発生段階において、これらの幹細胞は単相の神経上皮を形成し、これが神経板を構成します。神経板はさらに形態を変化させ管状の構造物 (神経管) を形成します。主にNotch1シグナル伝達によって、神経上皮細胞から放射状グリア、シュワン細胞と呼ばれる細胞が生じます。放射状グリア細胞 (RGC) は神経上皮細胞の性質を維持しており、特有の中間系フィラメントNestinや、Sox2 (SRY sex-determining region-box 2) を発現しています。これらは同時にアストログリア様の性質ももち、GLAST (glutamate aspartate transporter) や、カルシウム結合タンパク質S100β、BLBP (brain lipid-binding protein) といったアストロサイトに特異的なタンパク質も発現します。PNSにある未成熟シュワン細胞では、NCAM (neural cell adhesion molecule) とGFAP (glial fibrillary acidic protein) の高発現がみられます。さらに成熟化するとシュワン細胞は、ミエリン関連タンパク質 (例えばmyelin basic protein、MBP) の発現を増加させ、PNSの運動神経細胞と感覚神経細胞の髄鞘を形成するようになります。

放射状グリア細胞からは中間型前駆細胞が生じ、これがCNSのほとんどの成熟神経細胞の供給源になると考えられています。中間型前駆細胞は、Pax6 (paired box 6) を発現するのが特徴で、Pax6は神経幹細胞 (NSC) の増殖と分化を制御する多機能転写因子です。神経細胞新生の後期段階において、これらの細胞はDCX (doublecortin) やNeoroD1 (Neurogenic Differentiation Factor 1) を高発現し、神経細胞への運命決定がなされた細胞の後期分化を誘導します。十分に成熟すると、哺乳動物の神経細胞の細胞体にはNSE (neuron-specific enolase)、MAP2 (microtubule-associated protein-2) の発現がみられ、核にはNeuN (neuron-specific nuclear protein) の発現もみられます。注意点として、ゴルジ細胞、プルキンエ細胞、嗅球僧帽細胞、網膜視細胞、下オリーブ核神経細胞、歯状核神経細胞、歯状核神経細胞、交感神経節細胞などNeuNを発現しない神経細胞もあることが挙げられます。成熟した神経細胞は方向性 (求心性、遠心性、介在神経細胞)、他の神経細胞や標的に対する作用 (運動神経細胞など)、分泌パターン、神経伝達物質の産出などに基づき、さらに細かく分類されます。介在神経細胞はCalbindinとCalretininといったカルシウム結合タンパク質を発現するのに対し、運動神経細胞はホメオボックス遺伝子HB9を発現します。神経伝達物質を分泌する神経細胞は、その生合成や分泌に必要となる、酵素やトランスポーターの発現で区別することができます。グルタミン酸作動性神経細胞ではVGLUT1/2 (vesicular glutamate transporter 1/2)、GABA作動性神経細胞ではGAD1/2 (glutamate decarboxylase 1/2)、ドーパミン作動性神経細胞ではALDH1A1 (aldehyde dehydrogenase 1 family member A1) やTH (tyrosine hydroxylase)、セロトニン作動性神経細胞ではTryptophan hydroxylase、コリン作動性神経細胞ではChAT (choline acetyltransferase) の発現がそれぞれマーカーとして利用されています。

成体のCNSには、神経細胞以外にも脳が適切に機能するために必要な細胞があります。ミクログリア、オリゴデンドロサイト、アストロサイトなどです。ミクログリアは卵黄嚢由来の細胞であり、CNSの常在マクロファージです。これらは同じ中胚葉由来の骨髄細胞と類似した性質をいくつかもち、Integrin alpha M (ITGAM/CD11b) や細胞表面糖タンパク質F4/80の発現がその一つです。オリゴデンドロサイトはCNSの髄鞘形成に特化したグリア細胞の一種で、一般的にMOG (myelin oligodendrocyte glycoprotein)、MAG (myelin-associated glycoprotein)、MBP (myelin basic protein) の発現で特定されています。アストロサイトは髄鞘を形成しないグリア細胞で、オリゴデンドロサイトと同等の時間的および空間的パターンを持っています。成熟アストロサイトの最も特異的なマーカーはGFAPと、S100βの発現です。

特異的なバイオマーカーはアルツハイマー病 (AD)、パーキンソン病 (PD)、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) など神経変性疾患の指標として利用することもできます。ADの病理学的特徴として、Amyloid-β (Aβ) のプラーク (アミロイド班) の形成と高度にリン酸化されたTauによる神経原繊維変化が広く知られています。PDの病理学的な特徴の一つとして、α-Synucleinタンパク質を包含したLewy小体の形成が挙げられ、これはドーパミン作動性神経細胞の欠落の原因としても知られています。また、家族性PDでは、PINK1 (SourcePTEN-induced putative kinase 1 ) やLRRK2 (eucine-rich repeat kinase 2) の変異が見出されています。上位および下位の運動神経細胞が侵されるALSには、SOD1 (superoxide dismutase 1)、TDP-43 (TAR DNA-binding protein-43) や、RNA結合タンパク質FUSの変異が関与していることが分かってきました。近年の研究で、ミクログリアは病態において特殊な分子署名 (網羅的な遺伝子の発現様式) をもつ亜集団を生み出すことが分かってきました。このような細胞はDAM (disease-associated microglia) と呼ばれています。DAMは二段階の成熟過程を経ます。最初のステップでは、TREM2 (triggering receptorexpressed on myeloid cells 2)、ApoE、Dap12の発現上昇と、P2ry12、TMEM119 (transmembrane protein 119) の発現低下が起こります。第2段階では、TREM2依存的にOsteopontin (Spp1) とCystatin 7 (CST7) の発現が上昇します。現在、DAMは主にADへの関与が見出されていますが、その他神経変性疾患とDAMの関連性も精力的に研究が進められています。

参考文献:

作成日:2018年9月