DNA Library Prep Kit for Illuminaプロトコール (ChIP-seq, CUT&RUN)
次世代シーケンシング (NG-seq) は、クロマチン 免疫沈降 (ChIP) やCUT&RUN (Cleavage Under Targets and Release Using Nuclease) アッセイのデータを利用し、領域の 特定やゲノム全体における標的DNAの定量などのハイスループット解析に用いられます。DNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) には、Illumina システムプラットフォームで行う次世代シーケンシングに用いる、ChIP DNAまたはCUT&RUN DNAからの高品質なDNAシーケンシングライブラリーの調製に必要な 酵素やバッファーがすべて含まれています。迅速でわかりやすいワークフローにより、DNAライブラリーの作成と 精製に必要な作業時間を短縮できます。
各キットの構成品は、厳密な品質管理基準を満たしています。新しいロットは、試薬 一式全体を用いてIlluminaシステムシーケンシングプラットフォームでの インデックスライブラリーの構築およびシーケンシングで検証されています。
本製品は、Multiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580、またはMultiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538と一緒に使用する必要があります。本製品には24回分の反応に十分な量の試薬が含まれており、 酵素やソニケーションによる断片化、ChIP濃縮DNAとCUT&RUN DNAの両方に対応しています (ただし、ChIPまたはCUT&RUNアッセイによる濃縮DNAには異なる プロトコールを使用します)。
適合するアッセイキット:
SimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9003
SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005
SimpleChIP® Plus Sonication Chromatin IP Kit #56383
Multiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580
Multiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538
CUT&RUN Assay Kit #86652
CUT&RUN Assay Kit (with Drosophila Spike-In Control) #84647
適合しないアッセイキット:
CUT&Tag Assay Kit #77552
SimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit (Agarose Beads) #9002
SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Agarose Beads) #9004
注意:アガロースビーズはソニケーションされたサケ精子DNAでブロッキングされており、これがDNA
ライブラリーやNG-seqに混入する可能性があります。
必要な試薬
キットに含まれる試薬:
- • (緑) End Prep Enzyme Mix #73416
- • (緑) End Prep Reaction Buffer #93209
- • (赤) Ligation Master Mix #46719
- • (赤) Ligation Enhancer #30147
- • (青) Q5 PCR Master Mix (2X) #67488
キットに含まれない試薬:
- Multiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580 またはMultiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538
- Nuclease-free Water #12931
- AMPure XP Beads (Beckman Coulter, Inc. #A63881) またはSPRIselect Reagent Kit (Beckman Coulter, Inc. #B23317)
- 80%エタノール (用時調製)
- 1X TE (10 mM Tris-HCl pH 8.0、1 mM EDTA)
- 10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5)
- 磁気ラック/スタンド
- Agilent BioanalyzerまたはTapeStation System (Agilent Technologies, Inc.)
- PCRチューブとPCR装置
| SAFE STOP | これは、実験操作を中断する必要がある場合に、プロトコールを安全に中断できるポイントを示します。 |
I. DNA末端の調製
ChIP-seqを行う際は、ChIPアッセイとDNAライブラリー調製によるDNA濃縮の実験的バイアスの
確認のため、コントロールDNAシーケンシングライブラリーを
調製する必要があります。インプットクロマチンから精製されたDNA (すなわち、IP用に使用されたクロマチン) は、通常
はコントロールDNAライブラリーの調製に使用されます。
サンプルの準備:500 pg – 1 µgのChIP DNA DNA
シーケンシングライブラリーの適切な多様性を確保するため、転写因子または転写コファクターの
ChIP-seqにはChIPで濃縮されたDNA 5 ngを、ヒストントータルタンパク質またはヒストン修飾のChIP-seqにはChIPで濃縮されたDNA 50 ngを、コントロールDNAシーケンシングライブラリーにはインプット
DNA 50 ngを使用することを推奨します。ChIPで濃縮されたDNAは5 ng以下でも
ライブラリー作製に使用することもできますが、PCR
増幅によるバイアスによって、ライブラリーの多様性が低下する場合があります。
実験開始前の準備:
- End Prep Reaction Buffer (•)を室温で解凍してください。
- 1X TE (10 mM Tris-HCl、pH 8.0、1 mM EDTA) を調製してください。
- 滅菌したヌクレアーゼフリーチューブに、ChIP DNA 0.5-50 ngと比較のためインプットDNA (コントロールDNA) を調製してください。各DNAサンプルの最終容量が50 µLになるように 1X TEを加えてください。
- End Prep Enzyme Mix (•) 3 µLとEnd Prep Reaction Buffer (•) 7 µLを各DNAサンプルに加えて、総量を60 µLにしてください。
- ピペッティングを少なくとも10回繰り返して反応液を良く混合し、チューブ側面の液体を スピンダウンしてすべて回収してください。少量の気泡があっても、 性能に影響はありません。
-
サーマルサイクラーにセットし、以下のプログラムを実行してください:
- 30分、20°C
- 30分、65°C
- 4°Cで保持
- アダプターライゲーション (セクションII) に進んでください。必要に応じてサンプルを-20°Cで保存できますが、収量が やや (約20%) 低下する可能性があります。プロトコールを 中断する前に、アダプターライゲーションまで終わらせることを推奨します。
II. アダプターライゲーション
実験開始前の準備:
- Adaptor for Illumina Systems (•) とUSER enzyme (•) は、どちらもMultiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580またはMultiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538に含まれています。
- Adaptor for Illumina Systems (•) を室温で解凍してください。
- ピペッティングを数回繰り返し、ライゲーションマスターミックスを混合してください。
- 1サンプルにつき、10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を2.5 µL調製してください。
- Adaptor for Illumina Systems (•) を10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) で希釈してください。開始時のDNA量が5-100 ngの場合は、アダプターを1:10に希釈して、ワーキング濃度が 1.5 µMになるように調製してください。開始時のDNA量が5 ngより少ない場合は、アダプターを1:25に希釈して、作業濃度が0.6 µMになるようにしてください。
-
Ligation Master Mix (•) 30 µL、Ligation Enhancer (•) 1 µL、希釈したAdaptor for Illumina 2.5 µLを、セクションIステップ5のEnd Prep Reaction Mixture
60 µLに直接加えてください。
注意:希釈したアダプターを含む反応用プレミックス溶液を事前に調製しておくことは 推奨しません。 - ピペッティングを10回以上繰り返してライゲーション反応液を十分に混合し、スピンダウン してチューブ側面の液体をすべて回収してください。Ligation Master Mixは非常に粘性があります。混合が不完全な場合、 ライゲーション効率が低下するため、 ライゲーション反応液は十分に混合してください。少量の気泡があっても、性能には影響しません。
- 室温で15分間インキュベートしてください。
- USER Enzyme (•) 3 µLをライゲーション反応液に加えてください。よく混合し、 ヒートリッドを≥47°Cに設定して37°Cで15分間インキュベートしてください。
- アダプターライゲーション済みChIP DNAのクリーンアップ (セクションIII) に進んでください。(SAFE STOP) あるいは、サンプルを‐20°Cで 保存できます。
III. サイズ選別なしのアダプターライゲーション済みChIP DNAのクリーンアップ
ChIP-seq DNAライブラリーの収量と多様性が大きく 損なわれるため、アダプターライゲーション済みChIP DNAのクリーンアップの段階でのサイズ選択は推奨しません。
実験開始前の準備:
- AMPure XP beadsを使用する場合、室温に戻るよう使用前に少なくとも 30分間は室温に置いてください。
- チューブの転倒混和またはピペッティングにより、AMPure XP beadsまたはSPRIselect beadsを再懸濁してください。
- 1サンプルにつき、400 µLの80%エタノールを用意してください。
- 各サンプルに対して、10 mM Tris-HCl (pH 8.0 - 8.5) を17 µL用意してください。
- 再懸濁したAMPure XP Beads、またはSPRIselect Beads 87 µL (0.9X) を各アダプターライゲーション反応液に加えてください。10回以上ピペッティングし十分に 混合してください。チップ内 の液体がすべて排出されるように、最後の混合は慎重に行ってください。
- サンプルを実験台の上で少なくとも5分間、室温でインキュベートしてください。
- 適切な磁気スタンドの上にチューブ/プレートを5分間置いて、上清 とビーズを分離してください。
- 溶液が透明になったら、慎重に上清を除去して廃棄してください。DNA標的が結合した ビーズを乱さないように注意してください。
- 磁気スタンドに置いたまま、新しく準備した80%エタノール200 µLをチューブ/プレートに加えてください。室温で 30秒間インキュベートして、その後上清を慎重に除去して廃棄してください。DNA標的が結合したビーズを 乱さないように注意してください。
- ステップ5をもう一度繰り返し、合計2回洗浄してください。2回目の 洗浄後、目に見えるすべての液体が取り除かれていることを確認してください。
-
チューブ/プレートを磁気スタンド上に置いた状態で蓋を開け、ビーズを最大5分間風乾してください。
注意:ビーズを乾燥させすぎないでください。過剰な乾燥により、標的DNAの回収量が低下します。 ビーズにまだ光沢があり、すべての液体が蒸発した状態で、サンプルを溶出してください。 ビーズがひび割れしていたら、それは乾燥し過ぎです。 - 磁気スタンドからチューブ/プレートを取り出してください。1サンプルあたり17 µLの10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を加え、ビーズから標的DNAを溶出してください。ピペッティングで10回上下させて十分に混合してください。少なくとも2 分間、室温でインキュベートしてください。
- チューブ/プレートを磁気スタンド上に置き、5分間静置してください。溶液が透明になったら、DNA標的を含む上清 15 µLを新しいPCRチューブに移してください。アダプターライゲーション済みChIP-DNAの PCR濃縮 (セクション IV) に進んでください。(Safe Stop) サンプルを‐20°Cで保存することもできます。
IV. アダプターライゲーション済みChIP DNAのPCR濃縮
実験開始前の準備:
- Universal PCR Primer for Illumina (•) と12種類のIndex Primers for Illumina Systems (•) は、Multiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580に含まれます。Single Index Primers (#29580) を使用する際は、PCR1反応につきインデックスプライマーを1つのみ使用してください。有効な バーコードの組み合わせとPCR反応に関するヒントについては、#29580のデータシートを確認してください。
- 8種類のIndex 5 Primer for Illumina (白色のキャップ) と、12種類のIndex 7 Primer for Illumina Systems (オレンジ色のキャップ) は、Multiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538に含まれています。Dual Index Primers (#47538) を使用する際は、1反応につき、Index 5プライマーを1つおよびIndex 7プライマーを1つのみ使用してください。有効なバーコードの組み合わせと PCR反応に関するヒントについては、#47538のデータシートをご確認ください。
- プライマーと精製したアダプターライゲーション済みChIP DNA断片 (セクションIIIステップ9で取得) を室 温で解凍してください。
-
以下の構成品を滅菌処理したPCRチューブに加えてください:
試薬 PCR 反応1回の分量 (50 µL) 精製したアダプターライゲーション済みChIP-DNA断片 (セクションIIIのステップ9で取得) 15 µL Q5 PCR Master Mix (•) 25 µL Single Index Primer for Illumina (•) (またはDual Index Dual Index 7 Primer for Illumina Systems [オレンジ色のキャップ]) 5 µL Universal PCR Primer for Illumina Systems (•) (またはDual Index用Dual Index 5 Primer for Illumina Systems [白色のキャップ]) 5 µL - ピペッティングを10回繰り返して反応液を十分に混合し、スピンダウンしてチューブ側面の 液体をすべて回収してください。
-
チューブをサーマルサイクラーにセットし、以下のPCRサイクル
条件でPCR増幅をおこなってください。
a. 初期変性 98°C 30秒間 b. 変性 98°C 10秒間 c. アニーリングおよび伸長 65°C 15秒間 d. 出発材料が50 ngのChIP DNAの場合、ステップbからcを合計6 回繰り返してください。
出発材料が5 ngのChIP DNAの場合、ステップbからcを合計10 回繰り返してください。
出発材料が0.5 ngのChIP DNAの場合、ステップbからcを合計13 回繰り返してください。e. 最終伸長反応 65°C 3分間 f. 保持 (Hold) 4°C - PCR増幅産物のクリーンアップ (セクションV) に進んでください。(Safe Stop) サンプルを ‐20°Cで保存することもできます。
V. PCR増幅産物のクリーンアップ
実験開始前の準備:
- AMPure XP beadsを使用する場合、室温に戻るよう使用前に少なくとも 30分間は室温に置いてください。
- チューブの転倒混和またはピペッティングにより、AMPure XP beadsまたはSPRIselect beadsを再懸濁してください。
- 1サンプルにつき、400 µLの80%エタノールを用意してください。
- 1サンプルにつき、10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を40 µL調製してください。
- 再懸濁したAMPure XP beadsまたはSPRIselect beads 45 µL (0.9X) を、セクションIVのステップ4のPCR反応液 50 µLに加えてください。10回以上ピペッティングし十分に混合してください。チップ内の液体がすべて排出 されるように、最後の混合は慎重に行ってください。
- サンプルを実験台の上で少なくとも5分間、室温でインキュベートしてください。
- 適切な磁気スタンドの上にチューブ/プレートを5分間置いて、上清 とビーズを分離してください。
- 上清を慎重に除去して廃棄してください。DNA 標的が結合したビーズを乱さないように注意してください。
- 磁気スタンドに置いたまま、新しく準備した80%エタノール200 µLをチューブ/プレートに加えてください。室温で 30秒間インキュベートして、その後上清を慎重に除去して廃棄してください。DNA標的が結合したビーズを 乱さないように注意してください。
- ステップ5をもう一度繰り返し、合計2回洗浄してください。2回目の 洗浄後、目に見えるすべての液体が取り除かれていることを確認してください。
-
チューブ/プレートを磁気スタンド上に置いた状態で蓋を開け、ビーズを最大5分間風乾してください。
注意:ビーズを乾燥させすぎないでください。過剰な乾燥により、標的DNAの回収量が低下します。 ビーズにまだ光沢があり、すべての液体が蒸発した状態で、サンプルを溶出してください。 ビーズがひび割れしていたら、それは乾燥し過ぎです。 - 磁気スタンドからチューブ/プレートを取り出してください。1サンプルにつき33 µLの10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を加え、ビーズから標的DNAを溶出してください。ピペッティングで10回上下させて十分に混合してください。少なくとも2 分間、室温でインキュベートしてください。
- チューブ/プレートを磁気スタンド上に置き、5分間静置してください。標的のDNAを含む 上清30 µLを新しいチューブへ慎重に移してください。(SAFE STOP) ライブラリーは-20°Cで保存できます。
- NanoDropまたはPicoGreenアッセイで、ライブラリーDNAの濃度を測定してください。DNA ライブラリーの濃度は10-40 ng/µLの範囲内である必要があります。
- ライブラリーDNA 1 µLを10 mM Tris-HClで、最終濃度が5-10 ng/µLになるように希釈してください。Agilent Bioanalyzer High Sensitivity DNA チップを使用し、メーカーの指示に従って、 希釈済みライブラリーDNAのサイズ分布を解析してください。
- アダプターダイマー (Single Index Primersではおよそ128 bp、もしくはDual Index Primersではおよそ146 bp) のコンタミネーションが 観察された場合は、クリーンアップステップの1-10を繰り返してください。残留しているアダプターやアダプターダイマーは、 シーケンシング反応に混入して著しい影響を与えます。
- ハイスループットシーケンシング用に、10 mM Tris-HClで最終的な精製ライブラリーサンプルを希釈してください。NG-seq に必要なライブラリーDNAの最適濃度と容量については、 Illuminaシステムのシーケンシングマニュアルを参照してください。
| SAFE STOP | これは、実験操作を中断する必要がある場合に、プロトコールを安全に中断できるポイントを示します。 |
I. DNA末端の調製
CUT&RUN-seqを行う際は、CUT&RUNアッセイと
DNAライブラリー調製過程で生じるDNA濃縮の実験的バイアスの確認のために使用できる、
コントロールDNAシーケンシングライブラリーを作製する必要があります。通常、インプットDNAから精製したDNA (CUT&RUN Assay Kit #86652プロトコールのセクションVIまたはCUT&RUN Assay Kit (with Drosophila Spike-In Control) #84647プロトコールのセクションVIIを参照してください) からコントロールDNAライブラリーを作製します。
サンプルの準備:0.5 ng - 1 µgのCUT&RUN DNA 100,000個の初期細胞を用いた1回の反応で得られるCUT&RUN DNAの一般的な収量は、
0.6から6 ngです。DNAシーケンシングライブラリーの最適な多様性を確保するため、CUT&RUN反応から得られるCUT&RUN DNAは、可能な限り多く使用することを推奨します。やむを
得ない場合は、わずか0.1 ngのCUT&RUN DNAを用いることでもライブラリー構築は可能ですが、
PCR増幅時のバイアスによって、ライブラリーの多様性が低下する場合があります。インプットDNAを使用したコントロールDNAシーケンシング
ライブラリーの場合、5-10 ngから実験を始めることを推奨します。なお、CUT&RUN DNAの濃度を
測定するためには、Nanodropだけでは十分な感度が得られないため、Picogreenアッセイを行う必要があることにご注意ください。
実験開始前の準備:
- End Prep Reaction Buffer #93209 ( •)を室温で解凍してください。 DTTが沈殿していたらボルテックスしてください。
- 1X TE (10 mM Tris-HCl、pH 8.0、1 mM EDTA) を調製してください。
- CUT&RUN DNA 0.5-10 ngとインプットDNA (コントロールDNA) を、別々の滅菌した ヌクレアーゼフリーチューブに準備してください。各DNAサンプルの最終容量が50 µLになるように1X TEを加えてください。
- End Prep Enzyme Mix (•) 3 µLとEnd Prep Reaction Buffer (•) 7 µLを各DNAサンプルに加えて、総量を 60 µLにしてください。
- ピペッティングを少なくとも10回繰り返して反応液を良く混合し、チューブ側面の液体を スピンダウンしてすべて回収してください。少量の気泡があっても、 性能に影響はありません。
- サーマルサイクラーにセットし、以下のプログラムを実行してください:
- 30分、20°C
- 30分、50°C
- 4°Cで保持
- アダプターライゲーション (セクションII) に進んでください。必要に応じてサンプルを-20°Cで保存できますが、収量が やや (約20%) 低下する可能性があります。プロトコールを 中断する前に、アダプターライゲーションまで終わらせることを推奨します。
II. アダプターライゲーション
実験開始前の準備:
- Adaptor for Illumina Systems (•) とUSER enzyme (•) は、どちらもMultiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580またはMultiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538に含まれています。
- Adaptor for Illumina Systems (•) を室温で解凍してください。
- ピペッティングを数回繰り返し、ライゲーションマスターミックスを混合してください。
- 1サンプルにつき、10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を2.5 µL調製してください。
- 過剰なアダプターによるライブラリーDNAのコンタミネーションを避けるため、下の表を参考にしながらAdaptor for Illumina Systems ( •) を10 mM Tris-HCl (pH
8.0-8.5) で希釈してください。
開始DNA アダプター希釈率 使用時のアダプター濃度 100 ng - 1 µg 希釈なし 15 µM 5 ng - 100 ng 1:10 1.5 µM 2.5 ng - 5 ng 1:25 0.6 µM 1.25 ng – 2.5 ng 1:50 0.3 µM 1.25 ng未満 1:125 0.12 µM - Ligation Master Mix (•) 30 µL、Ligation Enhancer (•) 1 µL、および希釈したAdaptor for Illumina 2.5 µLを、セクションIステップ5のEnd Prep Reaction Mixture
60 µLに直接加えてください。
注意:希釈したアダプターを含む反応用プレミックス溶液を事前に調製しておくことは 推奨しません。ただし、Ligation Master MixとLigation Enhancerのプレミックスは、4°Cで8時間までは保持できます。 - ピペッティングを10回以上繰り返してライゲーション反応液を十分に混合し、スピン ダウンしてチューブ側面の液体をすべて回収してください。Ligation Master Mixは非常に粘性があります。混合が不完全な場合、 ライゲーション効率が低下するため、 ライゲーション反応液は十分に混合してください。少量の気泡があっても、 性能にはそれほど影響しません。
- 少なくとも15分間、室温でインキュベートしてください。
- USER Enzyme (•) 3 µLをライゲーション反応液に加えてください。よく混合し、 ヒートリッドを≥47°Cに設定して37°Cで15分間インキュベートしてください。
- アダプターライゲーション済みCUT&RUN DNAのクリーンアップ (セクションIII) へと進んでください。(SAFE STOP) サンプルを ‐20°Cで保存できます。
III. サイズ選別をしないアダプターライゲーション済みCUT&RUNのクリーンアップ
DNAライブラリーの収量と多様性が大きく損なわれるため、 アダプターライゲーション済みCUT&RUN DNAのクリーンアップ段階でのサイズ選択は推奨しません。
実験開始前の準備:
- AMPure XP beadsを使用する場合、室温に戻るよう使用前に少なくとも 30分間は室温に置いてください。
- チューブの転倒混和またはピペッティングにより、AMPure XP beadsまたはSPRIselect beadsを再懸濁してください。
- 1サンプルにつき、400 µLの80%エタノールを用意してください。
- 各サンプルに対して、10 mM Tris-HCl (pH 8.0 - 8.5) を17 µL用意してください。
- 再懸濁したAMPure XP Beads、またはSPRIselect Beads 106 µL (1.1X) を各アダプターライゲーション反応液に加えてください。 10回以上ピペッティングし十分に混合してください。チップ内の液体がすべて排出されるように、 最後の混合は慎重に行ってください。
- サンプルを実験台の上で少なくとも5分間、室温でインキュベートしてください。
- 適切な磁気スタンドの上にチューブ/プレートを5分間置いて、上清 とビーズを分離してください。
- 溶液が透明になったら、慎重に上清を除去して廃棄してください。標的のDNAが結合したビーズを乱さないように注意しながら、残った液体を すべて除去してください。
- 磁気スタンドに置いたまま、新しく準備した80%エタノール200 µLをチューブ/プレートに加えてください。室温で 30秒間インキュベートして、その後上清を慎重に除去して廃棄してください。DNA標的が結合したビーズを 乱さないように注意してください。
- ステップ5をもう一度繰り返し、合計2回洗浄してください。2回目の 洗浄後、目に見えるすべての液体が取り除かれていることを確認してください。
- チューブ/プレートを磁気スタンド上に置いた状態で蓋を開け、ビーズを最大5分間風乾してください。
注意:ビーズを乾燥させすぎないでください。過剰な乾燥により、標的DNAの回収量が低下します。 ビーズにまだ光沢があり、すべての液体が蒸発した状態で、サンプルを溶出してください。 ビーズがひび割れしてきたら、それは乾燥し過ぎです。 - 磁気スタンドからチューブ/プレートを取り出してください。1サンプルあたり17 µLの 10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を加え、ビーズから標的DNAを溶出してください。ピペッティングで10回上下させて十分に混合してください。少なくとも 2分間、室温でインキュベートしてください。
- チューブ/プレートを磁気スタンド上に置き、5分間静置してください。溶液が透明になったら、DNA標的を含む上清 15 µLを新しいPCRチューブに移してください。アダプターライゲーション済みChIP-DNAの PCR濃縮 (セクション IV) に進んでください。(Safe Stop) サンプルを‐20°Cで保存することもできます。
IV. アダプターライゲーション済みCUT&RUN DNAのPCR濃縮
実験開始前の準備:
- Universal PCR Primer for Illumina (•) と12種類のIndex Primers for Illumina Systems (•) は、Multiplex Oligos for Illumina Systems (Single Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #29580に含まれています。Single Index Primers (#29580) を使用する際は、PCR1反応につきインデックスプライマーを1つのみ使用してください。有効な バーコードの組み合わせとPCR反応に関するヒントについては、#29580のデータシートを確認してください。
- 8種類のIndex 5 Primer for Illumina (白色のキャップ) と、12種類のIndex 7 Primer for Illumina Systems (オレンジ色のキャップ) は、Multiplex Oligos for Illumina Systems (Dual Index Primers) (ChIP-seq, CUT&RUN) #47538に含まれています。Dual Index Primers (#47538) を使用する際は、1反応につき、Index 5プライマーを1つおよびIndex 7プライマーを1つのみ使用してください。有効なバーコードの組み合わせと PCR反応に関するヒントについては、#47538のデータシートをご確認ください。
- プライマーと精製済みのアダプターライゲーション済みCUT&RUN DNA断片 (セクションIIIステップ9から) を室温 で解凍してください。
- 以下の構成品を滅菌処理したPCRチューブに加えてください:
試薬 PCR反応1回の分量 (50 µL) 精製したアダプターライゲーション済みCUT&RUN DNA 断片 (セクションIIIのステップ9から) 15 µL Q5 PCR Master Mix ( •) 25 µL Single Index Primer for Illumina ( •) (もしくはDual Index用のDual Index 7 Primer for Illumina Systems [オレンジ色のキャップ]) 5 µL Universal PCR Primer for Illumina Systems (•) (またはDual Index用Dual Index 5 Primer for Illumina Systems [白色のキャップ]) 5 µL - ピペッティングを10回繰り返して反応液を十分に混合し、スピンダウンしてチューブ側面の 液体をすべて回収してください。
- チューブをサーマルサイクラーにセットし、以下のPCRサイクル
条件でPCR増幅をおこなってください。
a. 初期変性 98°C、30秒間 b. 変性 98°C、10秒間 c. アニーリングおよび伸長 65°C、13秒間 d. CUT&RUNの開始DNA 50-100 ngの場合 ステップbからcを合計6-7サイクル繰り返してください。 CUT&RUNの開始DNA 5-50 ngの場合 ステップbからcを合計8-12サイクル繰り返してください。 CUT&RUNの開始DNAが1-5 ngの場合 ステップbからcを合計13-15サイクル繰り返してください。 CUT&RUNの開始DNA 0.5-1 ngの場合 ステップbからcを合計16-17サイクル繰り返してください。 CUT&RUNの開始DNA 0.2-0.5 ngの場合 ステップbからcを合計18-19サイクル繰り返してください。 CUT&RUNの開始DNA 0.1-0.2 ngの場合 ステップbからcを合計20サイクル繰り返してください。 e. 最終伸長反応 65°C、3分間 f. 保持 (Hold) 4°C - PCR増幅産物のクリーンアップ (セクションV) に進んでください。(SAFE STOP) あるいは、この状態でサンプルを ‐20°Cで保存することもできます。
V. PCR増幅産物のクリーンアップ
実験開始前の準備:
- AMPure XP beadsを使用する場合、室温に戻るよう使用前に少なくとも 30分間は室温に置いてください。
- チューブの転倒混和またはピペッティングにより、AMPure XP beadsまたはSPRIselect beadsを再懸濁してください。
- 1サンプルにつき、400 µLの80%エタノールを用意してください。
- 1サンプルにつき、10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を40 µL調製してください。
- 再懸濁したAMPureビーズまたはSPRIselectビーズ 50 µL (1.0X) を、セクションIV、ステップ4のPCR反応液 50 Lに加えてください。10回以上ピペッティングし十分に混合してください。チップ内の液体がすべて排出 されるように、最後の混合は慎重に行ってください。
- サンプルを実験台の上で少なくとも5分間、室温でインキュベートしてください。
- 適切な磁気スタンドの上にチューブ/プレートを5分間置いて、上清 とビーズを分離してください。
- 上清を慎重に除去して廃棄してください。標的のDNAが結合したビーズを 乱さないように注意しながら、残った液体をすべて除去してください。
- 磁気スタンドに置いたまま、新しく準備した80%エタノール200 µLをチューブ/プレートに加えてください。室温で 30秒間インキュベートして、その後上清を慎重に除去して廃棄してください。DNA標的が結合したビーズを 乱さないように注意してください。
- ステップ5をもう一度繰り返し、合計2回洗浄してください。2回目の 洗浄後、目に見えるすべての液体が取り除かれていることを確認してください。
- チューブ/プレートを磁気スタンド上に置いた状態で蓋を開け、ビーズを最大5分間風乾してください。
注意:ビーズを乾燥させすぎないでください。過剰な乾燥により、標的DNAの回収量が低下します。 ビーズにまだ光沢があり、すべての液体が蒸発した状態で、サンプルを溶出してください。 ビーズがひび割れしてきたら、それは乾燥し過ぎです。 - 磁気スタンドからチューブ/プレートを取り出してください。1サンプルあたり33 µLの10 mM Tris-HCl (pH 8.0-8.5) を加え、ビーズから標的DNAを溶出してください。ピペッティングで10回上下させて十分に混合してください。少なくとも
2分間、室温でインキュベートしてください。
注意:Tris-HCl (pH 8.0-8.5) の量を減らすことで (17 µLにするなど)、より高 濃度のライブラリーDNAを得ることもできます。 - チューブ/プレートを磁気スタンド上に置き、5分間静置してください。標的のDNAを含む
上清30 µLを新しいチューブへ慎重に移してください。(SAFE STOP) ライブラリーは-20°Cで保存できます。
注意:ステップ8で17 µL のTris-HCl (pH 8.0-8.5) を使用した場合は、DNAターゲットを含む上清15 µLのみを新しいチューブに移します。 - NanoDropまたはPicoGreenアッセイで、ライブラリーDNAの濃度を測定してください。DNA ライブラリーの濃度は10-40 ng/µLの範囲内である必要があります。
- ライブラリーDNA 1 µLを10 mM Tris-HClで、最終濃度が5-10 ng/µLになるように希釈してください。Agilent Bioanalyzer High Sensitivity DNA チップを使用し、メーカーの指示に従って、 希釈済みライブラリーDNAのサイズ分布を解析してください。
- アダプターダイマー (Single Index Primersではおよそ128 bp、もしくはDual Index Primersではおよそ146 bp) のコンタミネーションが 観察された場合は、クリーンアップステップの1-10を繰り返してください。残留しているアダプターやアダプターダイマーは、 シーケンシング反応に混入して著しい影響を与えます。
- ハイスループットシーケンシング用に、10 mM Tris-HClで最終的な精製ライブラリーサンプルを希釈してください。NG-seq に必要なライブラリーDNAの最適濃度と容量については、 Illuminaシステムのシーケンシングマニュアルを参照してください。
APPENDIX A:キット構成品の品質管理
I. End Prep Enzyme Mix (•)
説明
End Prep Enzyme Mixは、断片化されたDNA 500 pg-1 µgを
5´-リン酸化、3´-dA-尾部末端を持つDNAへと転換できるように最適化されています。
品質管理アッセイ
- SDS-PAGEでの純度:各酵素のSDS-PAGE解析により、>95%の純度を確認しています。
- エンドヌクレアーゼ活性:本酵素ミックスの少なくとも10 µLをφX174 RF I DNA 1 µgと混合し、アッセイバッファー中で37°Cで4時間インキュベートした場合に (反応液50 µL)、アガロースゲル電気泳動で検出可能なRF IIへの変換は10%未満です。
- ホスファターゼ活性:本酵素ミックスの少なくとも10 µLを2.5 mM p-Nitrophenyl phosphate を含むタンパク質ホスファターゼアッセイバッファー (1 M Diethanolamin pH9.8、0.5 mM MgCl2) 中でインキュベート (37°C、4時間) した場合に、 分光分析法 (405 nm) で検出可能な p-Nitrophenylene anionの産生はみられません。
- 機能活性 (ヌクレオチド取り込み、リン酸化、dA付加反応):本酵素ミックス 1 µLを1X End Repair Reactionバッファー中で25°C、20分間反応させて、3´および5´ の両方のオーバーハングを含むDNA断片0.5 ugに95%以上の末端修復およびリン酸化が見られることをキャピラリー 電気泳動で確認しています。
II. End Prep Reaction Buffer (•)
品質管理アッセイ
- 16時間のインキュベーション:1X濃度の反応バッファーおよび HindIIIで消化したLambda DNA 1 µgを含む反応液50 µLを37°Cで16時間インキュベートした場合に、アガロースゲル電気泳動で検出可能な非特異的 ヌクレアーゼ分解はみられません。1X濃度の 本反応バッファーとT3 DNA 1 µgを含む反応液50 µLを37°Cで16時間インキュベートした場合も同様に、アガロースゲル電気泳動で検出可能な非特異的ヌクレアーゼ分解は 検出されません。
- エンドヌクレアーゼ活性:1X濃度の反応バッファーとφX174 RF I DNA 1 µgと共に37°Cで4時間インキュベートした場合に、50 µLの反応液において アガロースゲル電気泳動で検出可能なRF IIへの変換率は10%未満です。
- RNase活性:1X濃度の反応バッファーとFAMラベルされたR NA転写物 40 ngをインキュベート (37°C、16時間) した場合に、ポリアクリルアミド ゲル電気泳動により検出可能なRNase活性はありません。
- ホスファターゼ活性:本反応バッファーを1X濃度で、2.5 mM p-nitrophenyl phosphateを含むタンパク質ホスファターゼ アッセイバッファー (1 M Diethanolamine pH 9.8、0.5 mM MgCl2) 中でインキュベート (37°C、4時間) した場合に、 分光光度分析 (405 nm) で検出可能な p-nitrophenyleneの産生はみられません。
III. Ligation Master Mix (•)
説明
Ligation Master Mixは、T4 DNAリガーゼ、CST独自のライゲーションエンハンサー、
最適化済みの反応バッファーを含むすぐに使用可能な溶液です。
品質管理アッセイ
- 16時間のインキュベーション:1X濃度のLigation Master Mixおよび HindIIIで消化されたLambda DNA 1 µgを含む反応液50 µLを、37°Cで16時間インキュベートした場合に、アガロースゲル電気泳動によって検出可能な非特異的 ヌクレアーゼ分解はみられません。1X濃度のLigation Master Mixを含む反応液50 µLとT3 DNA 1 µgを37°Cで16時間インキュベートした場合も同様に、アガロースゲル電気泳動による検出可能な非特異的ヌクレアーゼ分解は みられません。
- エンドヌクレアーゼ活性:1X濃度のLigation Master Mixと1 µgのφX174 RF I DNAを含む50 µLの反応液を37°Cで4時間インキュベートした場合に、アガロースゲル電気泳動で検出されるRF IIへの変換は10%未満です。
- RNase活性:1X濃度のLigation Master MixとFAMラベルされたRNA 転写物 40 ngをインキュベート (37°C、16時間) した場合に、ポリアクリルアミド ゲル電気泳動で検出可能なRNase活性はありません。
- 形質転換アッセイ:LITMUS 28ベクターは、EcoRV切断 (平滑末端) 後、CIP (calf intestinal phosphatase) 処理してゲルで精製されています。φX174 DNAのHaeIIIの消化による平滑末端化インサートは、Ligation Master Mixプロトコールにより3:1のインサート対ベクター比で ベクターへと連結されます。ライゲーション製品は、上記の方法で 形質転換されています。各ロットは、以下の基準以上を満たしています:
効率 (形質転換体/µg)
| 再環状化 | 導入 | |
| 平滑末端 | > 1 x 107 | > 2.5 x 106 |
| 未切断のベクター | > 1 x 108 | N/A |
IV. Ligation Enhancer (•)
品質管理アッセイ
- 16時間のインキュベーション:Ligation Enhancer 1 µLとHindIIIで分解されたLambda DNA 1 µgを含む反応液50 µLを37°Cで16時間インキュベートした場合に、アガロースゲル電気泳動によって検出可能な非特異的ヌクレアーゼ分解はみられません。NEBNext 5' SR Adaptor 3 1 µLとT3 DNA 1µgを含む反応液50 µLを37°Cで16時間インキュベートした場合も同様に、アガロースゲル電気泳動によって検出可能な非特異的ヌクレアーゼ分解はみられません。
- エンドヌクレアーゼ活性:Ligation Enhancer 1 µLと φX174 RF Iのスーパーコイル状DNA 1 µgを含む反応液50 µLを37°で4時間インキュベートした場合に、アガロースゲル電気泳動で検出可能なRF II (ニック分子) への変換は10%未満です。
- RNase活性:Ligation Enhancer 1 µLとRNA 転写産物40 ngを含む反応液10 µLを37°で16時間インキュベートした場合に、ゲル 電気泳動で検出可能なRNA分解はみられません。
- ホスファターゼ活性:Ligation Enhancer 1 µLを2.5 mM p-nitrophenyl phosphateを含むタンパク質ホスファターゼアッセイバッファー (1 M Diethanolamine pH 9.8、0.5 mM MgCl2) 中で37°で 4時間インキュベートした場合に、分光分析法 ( 405 nm) で検出可能なp-nitrophenylene anionの産生はみられません。
V. Q5 PCR Master Mix (2X) (•)
説明
Q5 PCR Master Mix (2X) は、GC含量に関わらず、
次世代シーケンシング (NGS) ライブラリーの確実かつ忠実度の高い増幅のために特別に最適化されています。マスター
ミックスのポリメラーゼ成分であるQ5 High-Fidelity DNA Polymeraseは、3´→5´
エキソヌクレアーゼ活性を持つ新しい高熱耐性DNAポリメラーゼであり、伸長反応を高めるSso7dドメインに融合しています。またQ5は、非常にエラー
率が低く、Taq DNAポリメラーゼと比較して100分の1以下、Pfu (Pyrococcus
furiosus) DNAポリメラーゼと比較して約12分の1に抑えられています。マスターミックスのバッファー成分は、たとえGCリッチなアンプリコンでも確実な
増幅を実現するために最適化されており、さらに通常の
NGSワークフローで使用される様々なビーズにも対応しています。これらの特長は、Q5 PCR Master MixがNGSライブラリー調製に最適であることを示しています。この
便利な2Xマスターミックスは、dNTPs、Mg++、独自のバッファーを含み、あとは
プライマーとDNAテンプレートを追加するだけで確実な増幅が得られます。ホットスタートアプタマーシステムを採用することにより、室温
での反応液調製が可能になり、大変便利です。
品質管理アッセイ
- 16時間のインキュベーション:Q5 PCR Master MixとHindIIIにより消化されたλ DNA 1 µgを含む反応液50 µLを37°で16時間インキュベートした場合に、アガロースゲル電気泳動により 検出可能な非特異的ヌクレアーゼ分解はみられません。Q5 PCR Master MixとT3 DNA 1 µgを含む反応溶液50 µLを、37°で16時間インキュベートした場合も同様に、アガロースゲル電気泳動により 検出可能な非特異的ヌクレアーゼ分解はみられません。
- ホスファターゼ活性:Q5 PCR Master Mixを2.5 mM p-nitrophenyl phosphateを含むタンパク質ホスファターゼアッセイバッファー (1 M diethanolamine @ pH 9.8 and 0.5 mM MgCl2) 中で37°Cで 4時間インキュベートした場合に、分光分析法 ( 405 nm) で検出可能なp-nitrophenylene anionの産生はみられません。
- 機能活性 (マルチプレックスPCR、ビーズ阻害):カルボキシル化磁気ビーズの有無にかかわらず、4-plexプライマーミックス 0.5 µMと1X Q5 PCR Master Mixを含む反応液50 µL中で20 ngのゲノムDNAのPCR増幅を30サイクル行った場合に、4種類の期待される増幅産物が生じ、ビーズ存在下でも増幅阻害はみられません。
作成日:2017年11月
改訂日:2026年1月
プロトコールID:1624