CUT&Tag (ラビット) におけるDrosophila Spike-In Control Kitのプルトコール
!このマークは、実施中のCUT&Tag反応数に応じて量を変更する、 プロトコールの重要なステップであることを意味します。
注意:本プロトコールを開始する前に、Concanavalin A Beadsを活性化し、CUT&Tag Assay Kit #77552プロトコールのセクションIおよびIIに従って細胞または組織 サンプルを調製してください。 その後、セクションIに進んでください。
I. サンプル正規化のためのDrosophila Spike-In Nuclei Controlの追加
実験開始前の準備:
- Drosophila Spike-In Nuclei Controlを室温で解凍してください。各バイアルには、1反応につき核Spike-in20 µLを用いるという推奨条件に基づき、各製品バイアルには100,000-250,000個の細胞または1-2.5 mgの組織を含む反応を最大8回行うのに十分な量の核 Spike-in が入っています。
- 1回の実験で2バイアル以上のDrosophila Spike-In Nuclei Controlが必要な場合は、各反応に添加する核Spike-in数の一貫性を確保するため、 解凍済み バイアルをプールしてください。
- Drosophila Spike-In Nuclei Controlの凍結および解凍は最小限に抑えてください。凍結融解回数を 4回以下に 抑えるため、より小さな容量に分注してください。この回数を超えると、 Drosophila ゲノムへのマッピング率が低下し、1反応あたりに必要な核Spike-in量が増加する可能性があります。例えば、9回の凍結解凍サイクルでは、 Drosophilaへのマッピング率が約50%に低下する可能性があります。
- セクションIIまたは付録に記載されたCUT&Tag Assay Kit #77552のプロトコールに従って調製した細胞懸濁液を、各反応ごとに1.5 mLチューブに100 µLずつ分注してください。
-
各反応 (100,000-250,000個の細胞または
1-2.5 mg
の組織) に、Drosophila Spike-In Nuclei Controlを20 µL加えてください。細胞と核Spike-inのこの比率により、発現量の多い標的の場合は通常、DrosophilaのSpike-in
正規化
リードが全シーケンシングリードの約0.5-10%を占める結果が得られます。
注意:CUT&TagアッセイにおけるDrosophila Spike-In Nuclei Controlの至適用量は 一定ではなく、 Spike-in正規化リードが全 シーケンシングリードの約0.5-10%となるように、お客様ご自身で最適化する必要があります。100,000個未満の細胞または1 mg未満の 組織を使用する場合は、Drosophila Spike-In Nuclei Controlの容量を比例的に減らし、100,000細胞あたりまたは1 mgの 組織 あたり20 µLの比率を維持してください (例:50,000個の細胞に対してはDrosophila Spike-In Nuclei 10 µL、5,000個の細胞に対してはDrosophila Spike-In Nuclei1 µL)。 また、標的分子が低発現 (例:特定の転写 因子またはコファクター) の場合は、核Spike-inの量を2-10分の1に減らす必要があるかもしれません。例えば、1反応 (100,000-250,000個の細胞または1-2.5 mgの組織を含む) につき、Drosophila Spike-In Nuclei Controlを2-10 µL加えてください。
- 穏やかにピペッティングで上下させて混合してください。
- 速やかにセクションIIに進んでください。
II. Concanavalin Aビーズと一次抗体の結合
注意:このセクションの全インキュベーションステップにおいて、振盪 または回転によりサンプルを混合する必要はありません。チューブを指定の温度でラック上に静置するだけで構いません。インキュベーションステップ中にサンプル を混合しても、アッセイの性能は向上しません。検体を回転または 振盪させると、ビーズがチューブ の壁やキャップに付着し、ビーズの凝集や損失につながる可能性があります。
実験開始前の準備:
! すべてのバッファーの量は、実施する CUT&Tag反応数に応じて比例的に増加させる必要があります。
- Digitonin Solution #16359を90-100°Cで5分間温め、完全に 解凍されて溶解していることを確認してください。解凍したDigitonin Solution #16359はすぐに氷上に置き、使用中は氷上で保持してください。その日の作業が終了したら-20°Cで保管してください。
- 使用前にProtease Inhibitor Cocktail (200X) #7012および100X Spermidine #27287を完全に解凍し、その日の作業が終了したら-20°Cで保管してください。 Protease Inhibitor Cocktail (200X) #7012はDMSO含有のため、 氷上に置くと再凍結することに注意してください。
- 1反応につきComplete Antibody Binding Buffer 100 µLを調製し、氷上に置いてください。
| Complete Antibody Binding Buffer | 量 (1反応あたり) |
|---|---|
| Antibody Binding Buffer (CUT&RUN, CUT&Tag) #15338 | 96 µL |
| 100X Spermidine #27287 | 1 µL |
| Protease Inhibitor Cocktail (200X) #7012 | 0.5 µL |
| Digitonin Solution #16359 | 2.5 µL |
- セクションIのステップ7で調製済みの活性化したConcanavalin Aビーズを、CUT&Tag Assay Kit #77552のプロトコールに従い室温まで戻し、ピペッティングで穏やかに 上下させて十分混合してください。
- 各チューブの細胞 + セクション Iのステップ3で調製したDrosophila Spike-In Nuclei 懸濁液に、10 µLのビーズ懸濁液を加えます。
- ピペッティングで上下させてサンプルを十分に混合してください。サンプルを室温で5分間インキュベートしてください。
- チューブを磁気ラックに30秒間から2分間置き、その後上清を除去して廃棄してください。
- チューブを磁気ラックから外してください。1反応につき100 µLのComplete Antibody Bindingバッファーを加えて、ピペッティングで 穏やかに上下にさせて穏やかに混合し、氷上に置いてください。
-
各反応チューブに適量の試験抗体と1 µLのH2Av Rabbit Monoclonal Antibodyを加えて、
ピペッティングで上下させて穏やかに混合してください。
注意:CUT&Tag反応に必要な抗体の量は異なるので、 お客様自身で決定してください。ポジティブコントロールとしてTri-Methyl-Histone H3 (Lys4) (C42D8) Rabbit Monoclonal Antibody #9751、またはネガティブコントロールとしてNormal Rabbit IgG #2729もしくはNormal Mouse IgG #68860を使用する場合は、1反応に対し抗体を2 µL 加えてください。可能な限り、CUT&Tag検証済み抗体を アッセイに使用することを強く推奨します。CSTは、厳選したCUT&Tag検証済み 抗体を、根拠となるデータと適切な 希釈比率と共に提供しています。
- 1時間、室温でインキュベートしてください。このステップは4°Cで一晩まで延長できます。
- CUT&Tag Assay Kit #77552のセクションIV-VIIに従い、CUT&Tagの実験を続けてください。
III. サンプル正規化のための次世代シーケンシング (NGS) 解析
サンプルを正規化する際は、全サンプルからのCUT&Tagシーケンシングデータを、試験用ゲノム (例えば、ヒト、 マウス、その他) およびDrosophila melanogaster ゲノムの両方にマッピングしてください。各サンプルについて、ユニークスパイクインリード数と 全 ユニークリード数との比率を算出してください。比率が最も低いサンプル (例:下表 のサンプル4) をリファレンスサンプルとして選択し、得られた 式を用いてその他のサンプルの正規化係数を算出してください。これらの係数をバイオインフォマティクス解析に適用するには、bigWigファイルをスケーリングするか (例: deepToolsのbamCoverageを使用)、または各サンプルについて試験ゲノムにアラインメントされたユニークリード数のダウンサンプリングしてください。 シーケンシング深度がサンプル間で一貫している場合、正規化係数はSpike-inリード数と全リード数の比ではなく、 Spike-inリードの絶対数を用いて算出することもできます。
細胞タイトレーション実験におけるCTCF (D1A7) Rabbit Monoclonal Antibody #3417を用いたNGSアッセイサンプルの正規化の例
| Spike-inゲノムにアラインメントされたユニークリード数 (dm6) | 解析対象のリファレンスゲノムにアラインメントしたユニークリード数 (hg38) | 全ユニークリード数に対するユニークSpike-inリード数の比率 | NGSの正規化係数 | |
|---|---|---|---|---|
| サンプル1 | 978,085 | 6,349,158 | 978,085/(978,085 + 6,349,158) = 0.133 | 0.029/0.133 = 0.21 |
| サンプル2 | 687,521 | 7,239,141 | 687,521/(687,521 + 7,239,141) = 0.087 | 0.029/0.087 = 0.33 |
| サンプル3 | 527,372 | 10,375,637 | 527,372/(527,372 + 10,375,637) = 0.048 | 0.029/0.048 = 0.59 |
| サンプル4 | 203,734 | 6,925,175 | 203,734/(203,734 + 6,925,175) = 0.029 | 0.029/0.029 = 1 |
NGSの正規化係数 = リファレンスサンプルにおけるユニークSpike-inリード数と全ユニークリード数との比率 / その他のサンプルにおけるユニークSpike-inリード数と全ユニークリード数との比率 。
参考:トラブルシューティングガイド
| 問題 | 考えられる原因 | 推奨される対処法 |
|---|---|---|
| 1. 全ユニークリード数に対するユニークSpike-inリード数の比率が低すぎる | 正規化リード数と全リード数との比率に決まりはありません。Spike-inリード数が 数千程度であれば、十分正規化できます。 | 1反応あたりのDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量を増やし、 Drosophilaゲノムへの推奨マッピング率0.5-10%になるようにしてください。 |
| 使用前にDrosophila Spike-In Nuclei Controlが分解している。 |
製品が届いたら、すぐにDrosophila Spike-In Nuclei Controlを-80°Cで保管してください。
Drosophila Spike-In Nuclei Controlの凍結解凍サイクルが4回を超えないように、 分注して保存し 必要量のみを解凍してください。バイアルを4回以上解凍する場合、1反応に添加する核Spike-inの 量を増やし、分解により不足した量を補充してください。 6か月間以上保管したDrosophila Spike-In Nuclei Controlは使用しないでください。 AO/PI染色アッセイを用いて核Spike-inに損傷がないことを確認してください (方法についてはThermoFisher社の ReadyCount Stainsを参照してください)。 |
|
| サンプルに添加したDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量が不十分です。 |
100,000個の細胞を用いた反応の場合は、1
反応に加えるDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量は20 µLから始めてください
(これは最大250,000個の細胞に十分であることが確認されています)。 必要に応じて、徐々に容量を増やしてください。 |
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| 2. 全ユニークリード数に対するユニークSpike-inリード数の比率が高すぎる | 300万 - 500万のユニークリードが リフェレンスゲノムにマッピングされている場合には、Spike-inが過剰でも実験に影響はありませんが、シーケンシングリソースを無駄に消費し費用対効果が低くなります。 | 1反応あたりのDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量を減らし、Drosophilaゲノムへの推奨マッピング率0.5-10%になるようにしてください。 |
| サンプルに加えたDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量が過剰です。 |
100,000個の細胞を用いた反応の場合は、1 反応に加えるDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量は20 µL (10,000個の核) から始めてください (これは最大250,000 個の細胞に十分であることが確認されています)。 1反応あたり細胞100,000個未満または1 mg未満の組織 を用いる場合は 、Drosophila Spike-In Nuclei Controlの量を比例して減らしてください。 1反応あたりのDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量を徐々に減らし、Drosophilaゲノムへの適切なマッピング率に なるようにしてください。 |
|
| 標的の存在量が低い、または試験抗体の親和性が弱い とCUT&Tag効率が低くなるため、Spike-inリードが全シーケンシングリード大部分を占めてしまう可能性があります。 | 特定の転写因子およびコファクターに対する抗体のいくつかは、CUT&Tagアッセイでは、CUT&Tagアッセイでは他の抗体よりも少ない (10分の1量) のDrosophilaSpike-In Nuclei Controlにする必要があることが分かっています。 したがって、試験 抗体 が通常よりも少ないCUT&Tag DNA断片を産生する場合は、少ない量のDrosophila Spike-In Nuclei Controlから始めてください。 | |
| 試験抗体に、Drosophilaとの種交差性があります。 |
1反応あたりのDrosophila Spike-In Nuclei Controlの量を徐々に減らし、Drosophilaゲノムへの適切なマッピング率になるようにしてください。 抗体ごとに Drosophila に対する反応性が大きく異なる場合には、別の正規化因子が必要かもしれません。 |
For Research Use Only. Not for Use in Diagnostic Procedures.