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CUT&Tagの概要

CUT&Tagの概略図

CUT&Tag (Cleavage Under Targets & Tagmentation) は、CUT&RUNと同様に、より迅速で低コストのChIP-seqの代替となる解析方法です。CUT&Tagは、ChIP-seqに比べてより少ないサンプル量、簡単なワークフロー、より低いシーケンシングコストでクロマチンをプロファイリングできます。また、バックグラウンドが低いため、S/N比が向上します。CUT&Tagは、ライブラリー調製の大半のステップをin vivoで行うため、CUT&RUNよりも迅速でありながら、CUT&RUNと同等のデータを取得できます。また、シングルセル解析が可能です。

Cell Signaling Technology®のCUT&Tagの試薬とキットは、他の製品と同様に、その性能について厳密に検証されています。また、CSTは、これらと同じ試薬をCUT&Tag抗体の検証に用いているため、その性能と信頼性は常に保証されています。

CUT&Tagが他の手法とは違う点

従来のChIPとChIP-seqは、クロスリンクしたクロマチンのプロファイリングに用いられますが、CUT&TagとCUT&RUNは、どちらも未変性のクロマチンのプロファイリングに使用できます。CUT&TagとCUT&RUNは、どちらも細胞膜の透過化を行うため、一次抗体は核膜孔を通って核内に進入し、そこで目的の標的に結合できます。抗体には適切なpAG-酵素融合体が結合されており、この酵素を活性化させると、抗体が結合部位の両側のDNAが切断されます。

CUT&RUNとCUT&Tagは、いずれもDrosophila Spike-in正規化用コントロールを使用できます。実験開始時にDrosophila 核Spike-inを加え、その後に一次抗体インキュベーションステップで対応するH2Av抗体を加えます。

Drosophila Spike-inコントロールを用いた実験ワークフロー

CSTのDrosophila Spike-inコントロールを用いた、CUT&RUNおよびCUT&Tagクロマチンプロファイリングアッセイの実験ワークフローを示す図。

CUT&Tagのワークフロー (左) は、DNAライブラリーの調製にかかる時間を短縮しながら、確かなタンパク質-DNA相互作用データを提供します。

CUT&TagとCUT&RUNの違い

  • CUT&Tagでは、一次抗体のインキュベーションステップ後に二次抗体のインキュベーションステップを行い、シグナル強度を高めます。
  • CUT&Tagは、高塩濃度の条件下で行われます。どちらの方法でもヒストンの解析は可能ですが、高塩濃度の条件下では標的タンパク質-DNA相互作用が妨げられる場合があるため、CUT&Tagは転写因子やコファクターの解析にはあまり適しません。これは特に、存在量が少ない標的や結合の弱い標的にあてはまります。
  • CUT&RUNでは、Ca2+で活性化させたpAG-MNaseを用いてDNAを切断しますが、CUT&Tagは、Mg2+で活性化させたpAG-Tn5を用いてDNAを切断します。Tn5にはイルミナアダプターが組み込まれており、このアダプターは、DNAの切断プロセス中にクロマチンに付加されます。
  • CUT&Tagでは、タグメンテーション後に細胞膜と核膜の両方を透過化し、CUT&Tag DNAを完全に可溶化します。つまり、最終的なDNAサンプル中にはタグ付けされたDNAとゲノムDNAの両方が存在するため、CUT&Tag DNAはqPCRに適しません。qPCRをご希望の場合は、CUT&RUNを推奨します。
  • CUT&Tagでは、in vitroでのアダプターライゲーションステップを省略して、シーケンシング用のDNAライブラリーのPCR増幅に直接進むことができるため、実験にかかる時間が短縮されます。
  • CUT&Tagによる実験にかかる時間の短縮は累積されるため、サンプル数を増やせば増やすほど多大な時間を短縮できます。

CUT&Tagの利点:

より短時間で結果を取得

細胞からのDNAライブラリー調製は1-2日で完了。CUT&Tagでは、​ライブラリー調製が効率化されているため、CUT&RUNに比べて25%の時間短縮が可能

少量のサンプルで解析可能

ChIP-Seqに比べて、約40分の1のサンプル量1

低深度のシーケンシング = シーケンシングコストが低減

バックグラウンドが低いため、必要な高品質リードはわずか約200万リード

CUT&Tagでは、Whole-Workflow Spike-In Normalization Controlが利用可能

CSTは、CUT&Tag Assay Kit #77552に適合する2種類のCUT&Tag Drosophila Spike-In Controls Kitを提供しています。

キット

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Rabbit) #29811

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Mouse) #19629

コントロールの組成

Drosophila核spike-inおよびH2Avラビットモノクローナル抗体 (宿主種がラビットの一次抗体用)

Drosophila核spike-inおよびH2Avマウスモノクローナル抗体 (宿主種がマウスの一次抗体用)

カバーするワークフロー

細胞処理 (透過化、抗体結合、クロマチン断片化)、DNA精製、ライブラリー調製、シーケンシング

正規化の目的

アッセイ全体にわたる技術的なばらつき

使用例

薬剤による撹乱試験、ゲノム全体にわたる微細なクロマチン変化、複数バッチ間の比較、実験開始時のサンプル量が異なる実験だけでなく、ライブラリー調製やシーケンシングにおけるばらつき

Drosophila Spike-inを用いた正規化により薬物反応データの信頼性が向上<br/>

正規化されたデータでは、Tazemetostat処理サンプルは阻害と一致してH3K27me3とEZH2のシグナルが低下している一方で、H3K4me3とH3K27acのシグナルは同等のレベルを維持しています。この結果から、Drosophila Spike-in用いた正規化戦略により、得られたヒストン修飾の全体的な変化が技術的なばらつきではなく真の生物学的反応の違いを表しているという信頼性が高まることが分かります。

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Rabbit)

CUT&Tagを用いたMCF7細胞のH3K4me3のシーケンシング解析では、Tazemetostat処理後にHOXA遺伝子群全体にわたるH3K27me3とEZH2の結合が減少しましたが、H3K4me3とH3K27Acのシグナルは変化しない、または増強しました。

1 μMのTazemetostatで6日間処理 (図参照) または未処理の100,000個のMCF7細胞に対してCUT&Tag Assay Kit #77552およびDrosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Rabbit)およびTri-Methyl-Histone H3 (Lys27) (C36B11) Rabbit Monoclonal Antibody #9733Ezh2 (D2C9) Rabbit Monoclonal Antibody #5246Tri-Methyl-Histone H3 (Lys4) (C42D8) Rabbit Monoclonal Antibody #9751またはAcetyl-Histone H3 (Lys27) (D5E4) Rabbit Monoclonal Antibody #8173のいずれかを使用してCUT&Tagアッセイを実施しました。DNAライブラリーは、CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いて調製しました。図は、HoxA遺伝子群全体にわたる結合を示しています。正規化後、EZH2阻害剤処理によりH3K27me3とEZH2のシグナルの両方が著しく低下し、これはH3K27me3の発現レベルの低下と一致しました。一方、EZH2阻害剤はH3K4me3とH3K27Acの発現に影響を与えないため、これらのシグナルはいずれも同等であるか、またはわずかに増強しています。H3K27me3への結合が減少したため、同遺伝子座におけるH3K4me3やH3K27Acの結合が増加した可能性があります。

正規化されたデータでは、Tazemetostat処理サンプルはEZH2阻害と一致してH3K27me3シグナルが低下している一方で、H3K4me3シグナルは同等のレベルを維持しています。この結果から、Drosophila Spike-in用いた正規化戦略により、得られたヒストン修飾の全体的な変化が技術的なばらつきではなく真の生物学的反応の違いを表しているという信頼性が高まることが分かります。

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Mouse)

MCF7細胞のCUT&Tag解析では、Tazemetostat処理後のHOXD遺伝子群へのH3K27me3の結合が減少しましたが、ACTB遺伝子におけるH3K4me3シグナルに変化は見られませんでした。

1 μMのTazemetostatで6日間処理または未処理 (図参照) の100,000個のMCF7細胞に対して、CUT&Tag Assay Kit #77552Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Mouse)およびマウスH3K27me3抗体またはマウスH3K4me3抗体のいずれかを用いてCUT&Tagを実施しました。DNAライブラリーは、CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いて調製しました。図は、H3K27me3およびH3K4me3の既知の標的であるHOXD遺伝子群およびACTB遺伝子への結合を示しています。正規化後、EZH2阻害剤処理によりH3K27me3シグナルが著しく低下し、H3K27me3の発現レベルの低下と一致しました。一方、EZH2阻害剤はH3K4me3の発現に影響しないため、H3K4me3シグナルは同等のレベルを維持しています。

Drosophila Spike-inコントロールを用いた段階希釈した細胞サンプルにおけるシグナルの正確な正規化

Drosophila Spike‑inを用いた正規化により、CUT&Tagのシグナル強度は開始細胞数に正しく比例させることができます。以下の細胞の段階希釈実験では、正規化によりMYC遺伝子全体にわたるシグナル強度と初期細胞数との間に強い正の相関を示しており、サンプルインプット量の違いが適切に反映されたことが分かります。

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Rabbit)

HeLa細胞におけるMYC遺伝子上のCTCF結合に対するCUT&Tag解析では、インプット細胞数の増加に応じてシグナル強度が増すことが示されました。

200,000個、100,000個、50,000個または25,000個のHeLa細胞 (図参照) に対して、CTCF (D1A7) Rabbit Monoclonal Antibody #3417CUT&Tag Assay Kit #77552Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Rabbit)を用いてCUT&Tagを実施しました。DNAライブラリーは、CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いて調製しました。この図は、CTCFの既知の標的遺伝子であるMYC全体にわたる結合を示しています。正規化後のシグナル強度は、初期細胞数と正の相関を示しています。

正規化されたデータでは、GAPDH遺伝子全体にわたるシグナル強度と初期細胞数との間に強い正の相関があり、サンプルのインプット量の違いが適切に反映されています。

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Mouse)

HeLa細胞におけるGAPDH遺伝子へのH3K4me3結合のCUT&Tag解析では、インプット細胞数の増加に応じてシグナルが増強することが分かります。

100,000個、50,000個または25,000個のHeLa細胞 (図に記載のとおり) に対して、CUT&Tag Assay Kit #77552Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Mouse)およびマウスH3K4me3抗体を用いてCUT&Tagを実施しました。DNAライブラリーは、CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いて調製しました。この図は、H3K4me3の既知の標的遺伝子であるGAPDH全体にわたる結合を示しています。正規化後のシグナル強度は、初期細胞数と正の相関を示しています。

CUT&TagとCUT&RUNの比較

CUT&TagとCUT&RUNは、どちらも時間やサンプルが十分でない場合のタンパク質-DNA相互作用の解析に役立ちます。

以下の表を参考に、どちらの手法が適しているかをご検討ください。

 

CUT&Tag

CUT&RUN

ヒストンとの適合性

転写因子との適合性

条件次第

​コファクターとの適合性

条件次第

Drosophila Spike-inコントロールとの適合性

Yeast Spike-inコントロールとの適合性

X

qPCRに適合

X

NG-seqに適合

DNAライブラリー調製

In vivo

In vitro

細胞からのDNAライブラリー調製

1-2日

2-3日

少量の細胞

シングルセル解析

X

シーケンシング深度

200万

300万-500万

CUT&Tagは、次世代シーケンシング (NGS) に適しており、サンプルと時間が限られている際の「ヒストン修飾がクロマチン結合をどのように制御するか」の研究に最適です。また、お客様自身やCSTなどの抗体サプライヤーによりCUT&Tag用に特別に検証された抗体を用いれば、転写因子の研究にも活用できます。

CST® CUT&Tag Assay Kit #77552Drosophila Spike-In Control Kitをご注文いただくと、CUT&Tag実験に必要なすべての試薬を入手できます。または、必要な試薬だけを個別にご購入いただくことも可能です。弊社は、すべてのCUT&Tag試薬に対し厳密な社内検証を行っており、常に高品質な試薬をお届けすることを保証します。また、CSTが提供するCUT&Tag検証済み抗体の拡大中の製品リストから、抗体をお選びいただくこともできます。

比較可能なデータとより迅速な結果の取得

CUT&Tag試薬を用いることにより、ライブラリー調製にかかる時間は半分で、CUT&RUNと同等の高品質なデータが得られます。

CUT&Tagを用いたヒストン修飾の解析

ヒストン修飾の研究の際は、CUT&Tag Assay Kit #77552CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415Tri-Methyl-Histone H3 (Lys4)Tri-Methyl-Histone H3 (Lys27) などのカタログ製品を用いることにより、ChIP-seqやCUT&RUNと同等のデータが得られます。たった100,000個の細胞からDNAライブラリーの調製までを、わずか1-2日間で完了できます。

H3K4me3

ChIP-seq、CUT&RUNおよびCUT&TagによるH3K4me3のシーケンシングの結果

HCT 116細胞に対し、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552およびTri-Methyl-Histone H3 (Lys4) (C42D8) Rabbit Monoclonal Antibody #9751を用いてChIP-seq、CUT&RUNまたはCUT&Tagを実施しました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、12番染色体全体にわたる結合 (上) と、H3K4me3の既知の標的遺伝子であるGAPDHへの結合 (下) を示しています。

H3K27me3

ChIP-seq、CUT&RUN、CUT&TagによるH3K27me3のシーケンシングの結果

NCCIT細胞に対して、Tri-Methyl-Histone H3 (Lys27) (C36B11) Rabbit Monoclonal Antibody #9733を用いてChIP-seq、CUT&RUN、CUT&Tagの各アッセイを実施しました。各アッセイには、それぞれSimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552を用いました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、10番染色体全体にわたるH3K27me3の濃縮 (上) とPAX2遺伝子の濃縮 (下) を示しています。

CUT&Tagを用いた転写因子とコファクターの解析

Nanog、Estrogen Receptor α、JARID2などの転写因子やコファクターの研究の際は、CUT&Tag Assay Kit #77552CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415およびCUT&Tag検証済み抗体を用いることにより、ChIP-seqやCUT&RUNと同等のデータが得られます。たった100,000個の細胞からDNAライブラリーの調製までを、わずか1-2日間で完了できます。

Nanog

ChIP-seq、CUT&RUN、CUT&TagのNanogシーケンシングの結果

F9細胞に対して、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552およびNanog (D2A3) Rabbit Monoclonal Antibody (Mouse Specific) #8822を用いて、ChIP-seq、CUT&RUNまたはCUT&Tagアッセイを実施しました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、X染色体全体にわたる結合 (上) と、Nanogの既知の標的遺伝子であるXist (下) への結合を示しています。

Estrogen Receptor α

ChIP-seq、CUT&RUN、CUT&TagのERαシーケンシングの結果

フェノールレッドを含まない活性炭処理した5% FBSを含む培地で4日間培養し、その後β-estradiol (10 nM) で45分間処理したMCF7細胞を、Estrogen Receptor alpha (D8H8) Rabbit Monoclonal Antibody #8644を用いてChIP-seq、CUT&RUN、CUT&Tagの各アッセイで解析しました。各アッセイには、それぞれSimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552を用いました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、21番染色体全体にわたる結合 (上) と、Estrogen Receptor αの既知の標的遺伝子であるTFF1への結合 (下) を示しています。

JARID2

ChIP-seq、CUT&RUN、CUT&TagのJARID2シーケンシングの結果

NCCIT細胞に対して、CUT&Tag Assay Kit #77552CUT&RUN Assay Kit #86652またはSimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005およびJARID2 (D6M9X) Rabbit Monoclonal Antibody #13594を用いてCUT&Tag、CUT&RUNおよびChIP-seqアッセイを実施しました。CUT&TagのサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415、ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、HOXA遺伝子の濃縮の比較 (上) と、HOXD遺伝子の濃縮の比較 (下) を示しています。いずれもJARID2の既知の標的遺伝子です。

CUT&Tagを用いた組織サンプルの解析

CUT&Tagを用いて、組織サンプルのヒストン就職を解析することもできます。組織内の転写因子またはコファクターの解析には、CUT&RUN Assay Kit #86652を推奨します。

脳組織

新鮮脳組織内のヒストンPTMのChIP-seq、CUT&RUN、CUT&Tagの比較

25 mg (ChIP-seq) もしくは1 mg (CUT&RUNとCUT&Tag) の新鮮マウス脳組織に対して、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552およびTri-Methyl-Histone H3 (Lys4) (C42D8) Rabbit Monoclonal Antibody #9751を用いてChIP-seq、CUT&RUNおよびCUT&Tagアッセイを実施しました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、6番染色体全体にわたるH3K4me3の濃縮 (上) と、H3K4me3の既知の標的遺伝子であるGAPDHの濃縮 (下) を示しています。

肝臓組織

新鮮肝臓組織内のヒストンPTMのChIP-seq、CUT&RUN、CUT&Tagの比較

25 mg (ChIP-seq) もしくは1 mg (CUT&RUNとCUT&Tag) の新鮮マウス肝臓組織に対して、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552およびTri-Methyl-Histone H3 (Lys4) (C42D8) Rabbit Monoclonal Antibody #9751を用いて、ChIP-seq、CUT&RUNおよびCUT&Tagアッセイを実施しました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、6番染色体全体にわたるH3K4me3の濃縮 (上) と、H3K4me3の既知の標的遺伝子であるGAPDHの濃縮 (下) を示しています。

心臓組織

新鮮心臓組織内のヒストンPTMのChIP-seq、CUT&RUN、CUT&Tagの比較

5 mg (ChIP-seq) もしくは1 mg (CUT&RUNとCUT&Tag) の新鮮マウス心臓組織に対して、SimpleChIP® Plus Enzymatic Chromatin IP Kit (Magnetic Beads) #9005CUT&RUN Assay Kit #86652CUT&Tag Assay Kit #77552およびTri-Methyl-Histone H3 (Lys4) (C42D8) Rabbit Monoclonal Antibody #9751を用いて、ChIP-seq、CUT&RUNおよびCUT&Tagアッセイを実施しました。ChIP-seqとCUT&RUNのサンプルにはDNA Library Prep Kit for Illumina Systems (ChIP-seq, CUT&RUN) #56795、CUT&TagサンプルにはCUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いてDNAライブラリーを調製しました。図は、6番染色体全体にわたるH3K4me3の濃縮 (上) と、H3K4me3の既知の標的遺伝子であるGAPDHの濃縮 (下) を示しています。

BioanalyzerまたはTapeStation Systemでのシグナルが低くてもシーケンシングが可能

NGS用に精製したCUT&Tag DNAは、Agilent社のBioanalyzerやTapeStationシステムなどのプラットフォームでの品質チェックを行う前に、Thermo Fisher Scientific社のNanoDropやQubit Fluorometric Quantificationシステムなどのプラットフォームで定量できます。計算上のDNAライブラリーの収量は、使用する定量方法によって異なることにご注意ください。

CUT&Tagの閾値は、ChIP-seqやCUT&RUNよりも低くなっています。そのため、どのCUT&Tag試薬を使用していたとしても、Agilent社のBioanalyzerまたはTapeStationシステムでのプロファイリングでピークが非常に弱い、またはピークが見られない場合にもDNAライブラリーのシーケンスを正常に行うことができる場合が多々あります。BioanalyzerまたはTapeStationシステムでのシグナルが低い場合でも、高いゲノミクスシグナルを含むシーケンシングデータが取得可能であるため、シーケンシングに進むことを推奨します。

収量が低いライブラリーに関する重要なヒント:

  • 適切なツールの使用:より正確な評価を行うために、StandardではなくHigh SensitivityのScreen Tapeアッセイを推奨します。最適化されたその反応系により、CUT&Tagライブラリーの微弱なシグナルをより効果的に検出できます。
  • ヒストン修飾と転写因子の違い:ヒストン修飾では明確なシグナルが得られるのに対し、転写因子やコファクターのライブラリーではピークが非常に弱い、あるいは目に見えるピークがまったく得られないことが多々あります。
  • プロセスを信頼:シグナルが弱い場合でも、多くの場合にこれらのライブラリーを用いて高いマッピング率と明確な結合ピークを示す高品質なNGSの結果が得られます。
  • 実験を成功に導くライブラリーのプール:BioanalyzerまたはTapeStationで平均ライブラリーサイズを確定できない場合は、サイズを900 bpと推定して使用することを推奨します。収量が低いライブラリーを意図的にやや高い割合でプールすることにより、優れたシーケンス結果を確保できます。

収量が低い場合の対処については、以下のブログをご覧ください。CUT&Tag DNAライブラリーの収量:DNAライブラリーの収量が検出するには低すぎる場合にすべきこと

Bioanalyzerシステムを用いた3つの異なるCUT&Tagライブラリーのプロファイリング

Bioanalyzerシステムを用いたTCF4 CUT&Tag DNAライブラリーのQC

HCT 116細胞に対して、他社製品を含むいくつかのpAG-Tn5とTCF4/TCF7L2 (C48H11) Rabbit Monoclonal Antibodyを用いてCUT&Tagアッセイを実施しました。用いた各酵素の使用量は、メーカーの推奨量に基づいています。DNAライブラリーは、CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems #47415を用いて調製しました。図は、BioanalyzerシステムによるCUT&TagライブラリーDNAのプロファイリング結果を示しています。また、これらのDNAライブラリーをシーケンシングし、得られたNGSトラックを以下に示しています。

3つの異なるCUT&TagライブラリーのNGSトラック

Bioanalyzerシステムのシグナルが低くても、CUT&Tag試薬を使い分けることでTCF4シーケンシングを成功させることができます。

Bioanalyzerシステムで解析したDNAライブラリーをシーケンシングして得られたNGSトラックを示しています。NGSの結果から、8番染色体全体にわたる結合 (上) およびTCF4の既知の標的遺伝子であるMYCへの結合 (下) において、同等の結果が得られたことが分かります。

他の方法として、既知のポジティブおよびネガティブ遺伝子座に対するプライマーを用いてCUT&Tag DNAライブラリーのqPCRによる品質チェックを行い、NGSの前にクロマチン断片の濃縮率を決定することもできます。

CUT&Tag関連製品

CSTのCUT&Tagキットやカタログ試薬は、実際に実験を行う科学者と該当領域の専門家で構成される弊社のエピジェネティクスアプリケーションチームによって社内で検証されており、確実に機能することが確認されています。下記よりお客様のワークフローに適したソリューションを見つけてください。

 

カタログ番号

製品

77552

CUT&Tag Assay Kit

29811

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Rabbit)

19629

Drosophila Spike-In Control Kit for CUT&Tag (Mouse)

79561

CUT&Tag pAG-Tn5 (Loaded)

47415

CUT&Tag Dual Index Primers and PCR Master Mix for Illumina Systems

63228

CUT&Tag PCR Master Mix

35401

Goat Anti-Rabbit IgG (H&L) Antibody

52885

Donkey Anti-Mouse IgG (H&L) Antibody

2729

Normal Rabbit IgG

68860

Normal Mouse IgG

14209

DNA Purification Buffers and Spin Columns (ChIP, CUT&RUN, CUT&Tag)

93569

Concanavalin A Magnetic Beads and Activation Buffer

16359

Digitonin Solution

27287

100X Spermidine

7012

Protease Inhibitor Cocktail (200X)

10012

Proteinase K (20 mg/mL)

20533

10% SDS Solution

7011

0.5 M EDTA, pH 8.0

31415

10X Wash Buffer (CUT&RUN, CUT&Tag)

15338

Antibody Binding Buffer (CUT&RUN, CUT&Tag)

参考文献

  1. Kaya-Okur HS, Wu SJ, Codomo CA, et al. CUT&Tag for efficient epigenomic profiling of small samples and single cells. Nat Commun. 2019;10(1):1930. Published 2019 Apr 29. doi:10.1038/s41467-019-09982-5
  2. Egan, B. et al. An Alternative Approach to ChIP-Seq Normalization Enables Detection of Genome-Wide Changes in Histone H3 Lysine 27 Trimethylation upon EZH2 Inhibition. (2016) PLoS ONE 11, e0166438
  3. Taruttis, F. et al. External calibration with Drosophila whole-cell spike-ins delivers absolute mRNA fold changes from human RNA-Seq and qPCR data. (2017) Biotechniques 62, 53-61 Pubmed 28193148

米国特許番号11,733,248、その外国特許、およびそれらから派生する子特許の対象です。

本製品は、米国特許番号9938524、10689643、11306307、12049622、その外国特許に基づくActive Motif, Inc.からのライセンスの下で提供および販売されています。購入者の内部研究に限ります。再販や受託サービス、その他の商用利用を禁じます。

米国特許番号7,429,487、その外国特許、およびそれらから派生する子特許の対象です。

Cell Signaling Technology、CST、SimpleChIPは、Cell Signaling Technology, Inc.の登録商標です。

その他すべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。詳細はcellsignal.com/legal/trademark-informationをご覧ください。